絵を描くのにデッサンはいる?いらない?
イラストレーターのいづ(@izusan_14)です。
皆さんはデッサンやスケッチをした方がいいのかな…と思ったことはありますか?
やっと出来上がったイラストをSNSに投稿!
自分の描いたイラストに対して、コメントやリツイートなどさまざまな反応がもらえる中
デッサンがおかしいから直した方がいいよ
なんてコメントが来たりすることがあります。
イラストを描き始めて日が浅い方や、すでに人体の構造を学びながら描いている方に先ほどのようなコメントが届いてしまった時、かなり落ち込むと思います。
デッサンをしないとやっぱりうまく描けないのかな…
そもそもどうやってデッサンをしたらいいのかもわからないのに…
デッサンをやってみたけどうまくならない…
デッサンができないからきっとこれ以上絵がうまくなれないんだ
と気分が落ち込み、絵を描くことが億劫になったり、自信がなくなり絵を描かなくなってしまう人も出てきます。
私は絵がうまくなりたい気持ちが誰よりもある方々に描くことを諦めてほしくありません。
なので今回はずばり、イラストを描くのにデッサンはいるのか、いらないのか?
これからデッサンをしようか悩んでいる皆さんへお伝えしていこうと思います。
もくじ
やるべき?やらないほうがいい?
結論を言うと、個人的にはデッサンはやってもやらなくても大丈夫です!
なぜならデッサンをすることだけが絵がうまくなる方法ではないからです。
後ほどデッサンをやらないで上手くなる方法をご紹介しますので、興味がありましたら見てみてください。
ではデッサンはする意味、している意味はないのか?と思うかもしれませんが、安心してください。ちゃんと意味はあります。
ただデッサンにはメリットとデメリットが存在します。
もし現段階でデッサンをしてみようかな?とお考えの方は参考にしてみてください。
デッサンをするメリット・デメリット
メリット
デッサンをするとしっかり見て描く力が付きます。
どういうことかというと、例えば『海のイラスト』を描こうとしたとき、自分のイメージに合った海の画像をインターネットで検索してみると思います。
画像を見て少なくとも
- 海は青色
- 空は水色
- 砂浜は灰色がかったオレンジ色
- 雲は白色
という情報は一瞬で入ってくると思いますが、それ以外はどうでしょうか?
- 海は青いが、青の中に別の色はざっと見て何色ありそうか?
- 空は水色だが、水平線に近い色は何色だろうか?
- 砂浜は灰色がかったオレンジ色だが、濡れている場所と濡れていない場所の色の違いは?
- 雲は白いが、影になっている部分の色は?また雲の形の規則性・種類は?
私たち人間はよく見ているつもりでも、見えていない・または見え方が他の人と違っている場合があります。
デッサンをすることで、対象物をよく見て、見て、さらに見てから描くというプロセスを身につけることができ、背景や小物、人物を描くときにかなり役に立ちます。
デメリット
やる気を維持しにくいことと、デッサンのやり方が分かりづらいことです。
デッサンのやり方をネットで調べてみると
1Hから6Bの鉛筆を準備してカッターで削って、イーゼル・カルトン・画用紙・練けし・椅子を用意して、モチーフを…
本格的に描く場合デッサン道具をまず知り、用意するところから始まるわけですが、
準備の時点で手間がかかって面倒だな…と感じると思います。
そもそもデッサンを全く知らない人からすると『えっ!?そもそも鉛筆にそんな種類あるの!?』と衝撃を受けてしまいます。
そしてその手間がかかる準備を乗り越え、いざ描こうとするわけですが
何から描くのが正解なのかわからない!!
『絵を描くときのようにいつもの描き方でいいのか?それとも手順があるのか?描くモチーフによって描き方が変わったりするのか…?』と気になってサイトや動画を見て調べてみますが、調べていくうちにやる気が削がれ、
今日はやーめた!また今度にしよう…
と後回しにしてしまい、結局デッサンをやらず…なんてことにも。
また普段描かないようなモチーフをデッサンでは描くことが多いので興味があまり湧かず、やる気を失うこともあります(私は今でもよくあります…)。
もっと簡単にデッサンをやりたい
デメリットを見ると
道具を買うところから始まるのか…
手間もお金もかかるならデッサンをすること自体のハードルが高いし、楽しくないならやりたくないなぁ
となってしまいますよね。
楽しくないなら誰だってやりたくないと思います。
お財布に優しく、手軽にできて、かつ楽しんでできる方法…
それがあるとしたらどうでしょうか?
それはデッサンではなくスケッチをすることです。
デッサンではなくスケッチをやってみよう
スケッチとは何か?デッサンとどう違うのか?やり方はどうやるのかをご紹介していきます。
デッサンとスケッチの違いとは?
・デッサン(dessin):鉛筆や木炭、コンテなどを使用し、画用紙にモノクロで描かれる。日本語で『素描(そびょう)』という。
・スケッチ(sketch):主に鉛筆を使用してスケッチブックなどに描くことが多い。日本語で『写生(しゃせい)』という。
参考サイト
デッサンとスケッチでは描き方が違うのかスケッチをやるならどうしたらいいのか?
デメリットに書いたデッサン道具のようなものは必須なのか?
結論を言うと、デッサン道具はいりません。家にあるモノだけでスケッチはできます!
準備するもの
・白い紙(ノートやスケッチブックでも大丈夫)
・ボールペン
以上です。
『それだけでいいの!?』と思われそうですが、これだけで問題ありません。
また鉛筆ではなくボールペンを使用する理由は後ほどお答えします。
実際に描いてみよう
では描きたいモチーフを決めて、用意した紙に描いてみてください。
コツとしては『うまく描こう』と意識しすぎないことです。
普段イラストを描くときのように描くもよし、モチーフのバランスをじっくり観察してから描くもよし…あまり時間をかけずに楽しんで描いてみてください。
描き終わったら、完成したデッサンとモチーフを見比べてみてください。
どうでしょうか?ここでほとんどのみなさんがこう感じると思います。
思ったような線が描けない…
それにモチーフと同じように描けない!
そうなんです。
ボールペンを使ってスケッチをすると線がうまく描けなかったりします。
スケッチをするのに線が描きづらいボールペンを使用することを何故推奨したのかというと
『モチーフを観察し、的確な線を引けるようになる力をつけるため』です。
ボールペンは一度描いたら鉛筆のようには消えません。
なので手癖で描こうとせず、意識的にモチーフをよく見てから描こうとします。
意識をすることによりモチーフの形や色の種類、光の当たっている方向など…しっかり観察することで、描くときに迷いがない線を引くことができます。
実はこれ、デッサンをするにあたってのメリットの章で書いた『海の絵』と同じことなんです。
『自分の見ている・見えている景色や人物、描いているモチーフは他の人と少し違う見え方をしている可能性がある』ということに気づきやすくなるように、今回はボールペンを使用することを推奨しています。
また黒のボールペンで描くと緊張してしまう方や、同じ色で描いていると飽きてきてしまった方はカラフルなボールペンを使うのも気分を変えるのにはいいかもしれません。
デッサンやスケッチをやらないでうまくなるには?
デッサンもスケッチもなるべくやりたくないな…
普段イラストを描いているときに実践できるような方法ってないの?
もしかしたらこんな意見があるかもしれません。
なので、今日からでも取り入れられる上達するキャラクターの描き方をひとつご紹介します。
素体を見比べてみる
『素体って何?初めて聞いたんだけど…』という方に素体とは何かをご説明します。
素体とは?
デッサン人形やドール、マネキンのようなボディラインだけを描いたもの。
参考サイト
素体 – ピクシブ百科事典つまり髪や服などは描かれていない状態のキャラクターのことを指します。
ではさっそく上達するキャラクターの描き方を実践してみましょう!
- ①素体を描く
- 先ほど紹介した素体の状態のキャラクターをまず描いてみてください。
アニメキャラやオリジナル、何でも構いません。
- ②お手本を決める
- 次にあなたの好きなイラストレーターさんや絵師さんの描かれたイラスト(全身が見えているものが望ましい)、アニメキャラクターでも構いませんので、お手本にする人やキャラクターを選んでください。
※お手本イラストのキャラクターと自身の描いた素体の等身があまりにも違う場合は、①で描いた等身をお手本になるべく合わせて描くか、①の素体の等身に合ったお手本イラストにしてください。
- ③となりに素体を描く
- 自分の描いた素体の横に、お手本イラストと同じポーズをした素体を描いていきます。
- ④見比べてみる
- 完成したらお手本を決める前に描いた素体と、お手本イラストと同じポーズをした素体を見比べてみてください。
どうでしょうか?ポーズは違うものの、見比べてみるとお手本イラストの素体の方が何か光るものがあると思います。
その部分こそが今現在自分のイラストにある違和感・直すべき部分なんです。
その部分を直し、キャラクターの髪や服、武器などを描きこみ改めて見てみると、いつもよりぐっと魅力の詰まったイラストが出来上がると思います。
素体を描いたことがない方でも簡単にできる方法ですので、ぜひ試してみてください!
まとめ
- デッサンはやってもやらなくても大丈夫!
- デッサンをやるメリットは見て描く力がつくこと
- デッサンをやるデメリットはやる気が維持しにくいことと、デッサンのやり方が分かりづらいこと
- デッサンではなくスケッチだと手間やお金がかからず、とっつきやすい!
- デッサンやスケッチをやらずにうまくなるには、素体を描いて見比べてみること
デッサンをやるべきかやらないべきかで悩んでいる方や、デッサンをやってみたけど苦手になってしまった方は結構多いのではないかと私は思っているので、そんな方々の参考になったらうれしいです。
楽しいお絵かきライフを送ってください!